DIY(Do It Yourself)とはいわゆる自分で作ったり修正したりすることですが日曜大工なんかもDIYに含まれますね。今回は家具系のDIYに必要な工具の紹介をしたいと思います。
持論としてDIYの最大のコツは『工具を知っている』ことだと思っています。極端な話しノコギリを知っていれば木を切ることができ、釘を知っていれば木を組み立てられます。職業柄いろいろな工具を知っている方はテーブルや本棚などを簡単に作れるのですが、普段は事務系でお仕事をされている方は何から揃えれば良いのかわからないと思います。そんな方向けに最低限必要な工具を紹介します。
なお、それなりにしっかりとした物を作りたい人向けになっています。安く済ませる!という内容ではありません。安く済ませたい場合はこのページで紹介している工具の低ランクのものを購入すると良いかもしれません。
最低限必要な工具
メジャー(3.5m)
木材を目的の長さに切るために必須の定規です。基本的に天井より高いものは作らないと思うので3.5mのメジャーで良いと思います。5.5mのものはちょっとゴツくて使い回しが悪いです。100円均一のものでも十分ですがロック部分が甘かったりとちゃちなものがあるので、できればホームセンターなどでちゃんとしたものを買いましょう。
マスキングテープ(12mm幅)
マスキングテープの本来の用途は塗料を塗りたくない部分などを保護するためですがそれ以外の用途にも活用できるので是非1個は持っていたほうが良いです。マスキングテープは粘着面が弱いため、貼り付け貼り直しが容易でベタつきなどが全くありません。
- テープを貼った上に線を描ける
- メモに使える
- 簡易的な固定に使える
- テープを引っ張るように貼ればテープが真っ直ぐなラインになる
- 塗料の保護部分に張る(新聞紙など使用すれば広範囲の保護も可能)
上記のような活用方法があります。
養生シート
家の床や壁を保護するために必須です。木材を切った時の素材の落下による傷防止や、はねた塗料の保護のために床や家具にかぶせて使います。ブルーシートと言ったほうがわかりやすいでしょうか。
使いやすいのは真四角のもので、ある程度大きなシートをお勧めします。大きめのものを折りたたむことで床への衝撃が和らぎます。
作業台
木を切る場合には必ず高台に置かないとノコの刃が通りません。廃材などを適当に置いて切ったりもしますが初めてのDIYで台にできるような廃材はないと思います。多少お金がかかりますが、作業台の性能(水平度やガタツキ)で作る物に誤差が生じるのである程度の物を準備しましょう。
いっその事、初めてのDIYは作業台を作るのが良いかもしれません。紹介している作業台は折りたたみ式で収納が可能になっているので作業外で邪魔になりません。
[SK11]替刃式折込ノコギリ(120mm)
コンパクトな折りたたみ式のノコギリです。ノコギリがないとDIYは始まりません。
小型ですが刃がしっかりしているので軽い力で真っ直ぐに切れます。刃が悪くなったら替えることができるのも良いポイント。刃渡りは120mmと小さい気がしますが80mm角材くらいなら楽々切れます。一般的なDIYであれば十分な長さになります。
替刃式であればカーブ用の刃に替えることが可能なので作業が捗ります。
[BOSCH]バッテリー インパクトドライバー
電動式のドライバーになります。木工なら手でドライバーを締めれば良いじゃないか…と思うかもしれませんが何十本もネジ締めを行うのは本当に力がいります。まっさらな木にネジを手で締め付けるのは慣れないとズレることもしばしばです。このインパクトドライバーがあるだけでかなり正確かつ短時間でDIYできるようになります。
バッテリー式の中にはコンパクトなハンドタイプのものがありますが、なぜこの本格的なインパクトドライバーを紹介するかというと…アタッチメントの活用でかなりの拡張性があるためです。例えば数ミリ程度なら専用のドリルをそのまま付けられ、10mm以上の穴を開けたい場合はドリル用のアタッチメントを使用、20mm以上開けたい場合はドリルアタッチメントにホールソーを付けると自在に開けられます。その他にもヤスリを装着したりとDIYで手間な事が数多く解決できます。
お値段はピンきりですが大体1万円払えば満足できる性能です。価格が高いインパクトドライバーは抵抗力でトルクが変化したりなど性能が良いと言うだけで、どちらかというと玄人向け。DIYなら太いボルトを固く締めたりすることは中々ないと思うので中級よりちょっと下のランクがコストパフォーマンスが優れていると思います。
BOSCHを紹介しているのは単純に見た目が好きなだけです…。いつかBOSCHシリーズを一式揃えるのが夢です。
[E-Value]インパクトドライバー用のビット
インパクトドライバーの先に付けるやつですね。こちらのセットを買っておけばまず困らないと思います。セットの中にドリル(2・2.5・3mm)が入っており、ネジ穴用として使用できるサイズなので便利です。
ただし、このビットはかなり安い方。安いビットはじつは購入しないほうが良いです。なぜならネジ山に負けて先欠けたり曲がったりしてすぐに使えなくなります。100円均一のドライバーも同様です。[E-Value]インパクトドライバー用のビットを紹介しているのはお試し用としてお勧めしています。ヘタる使用頻度が高いビットがわかったらプロ用のビットをホームセンターなどで購入しましょう。
オススメはベッセル製です。
サンドペーパー#100前後#300前後、
ハンドサンダー OR 六角軸 ポリッシャー
いわゆるヤスリがけに使用します。ヤスリがけは非常に重要で、ヤスリがけの有無でクオリティが大きく変わります。大げさではなく手作り感→オーダーメイド家具に進化します。売ってある木材は基本的にザラザラとした表面をしています。そのため塗装やニス塗りが均等にできずムラや塗残しの原因にもなります。何より木材の模様である木目の見え方が全然違ってきます。
基本的に100番前後のヤスリである程度平面にして最後に300番前後でツルツルに仕上げることができます。この番号はザラザラの目の粗さで、番号が大きいほど目が細かいのでツルツルになります。1000番台になると車のボディの仕上げなどに使用したりしますが、木は400番辺りで十分です。
※[番号が小さい]荒いのでよく削れる
※[番号が大きい]細かいのでほとんど削れないのでツルツルしやすい
このヤスリ掛けが非常に力と根気が必要でDIYの時間の多くはヤスリがけと言っても過言ではありません。基本的にはハンドサンダーと呼ばれるヤスリ掛け用の工具にサンドペーパーを貼り付けて木を削ります。非常に平坦に綺麗に仕上げることができるのですが兎に角疲れるので「インパクトドライバーに六角軸 ポリッシャーを付けて回転させて削る」方法をお勧めします。回転用に丸い形をしたマジックテープ式のサンドペーパーがちゃんと売ってあるので
木ネジ
DIYでは基本的に釘は使わず、ドライバーで取り外し可能な木ネジがオススメです。インパクトドライバーがあれば力がいらずにスルスルと締まっていきます。最も木ネジが有効なのは「木が割れないように打ち込める」事です。板の端っこや、側面の薄い部分に釘や木ネジを打つと非常に割れやすいのですが、打ち込む木ネジの芯の太さの穴を先に開けておけば回避できます。
木ネジは100円均一で買わずホームセンターなどでちゃんとしたものを買いましょう。安物はネジ山が脆ですし、力を込めるとネジ自体がねじ切れてしまう事があります。粗悪なものであれば木の内部に侵入していきません。
木ネジの長さや太さは作るものに応じて選ぶ必要がありますが、とりあえず万能に使える木ネジをご紹介。ネジの太さは4mmで長さが16mm/20mm/25mm/30mm/40mmが詰まったセットです。16mmは良く使う場面が多いと思います(8~10mm板を加工することが多い)。これに追加で長さ10mmを買っておくとしばらく木ネジに困ることはないでしょう。
あれば捗る工具
L字定規
長さを測るのはもちろんですが真価は水平なラインを引けることです。L字の片方を木の側面に当てると切り口箇所を90度で綺麗にラインが引けます。ただでさえノコで切る際に歪んでしまうので、ラインくらいはしっかり水平に引いておきましょう。
木工用ボンド
小学校の図工で使ったことがあると思います。定番中の定番の木工用ボンドを一つ持っておくと、板が欠けた時の補修やちょっとした物の接着に使えます。また裏技かどうかわかりませんが、この木工用ボンドを水で薄めたものを木にうすーく塗ると塗料が定着しやすくなります。
少量のものでOKです。フェルト貼りなどには大量のものが必要になりますが、木工用ボンドはスーパーにさえ置いてあるので必要な時に買いに行けます。
下地材(シーラー)
もし木にペイントをしたい場合は下地材のシーラーが必須です。塗料の乗りと耐久力がかなり違ってきます。木は想像以上に凹凸が多く、細かな隙間を埋める作用もあるので塗料の乗りが変わります。両面テープやパネル張りをしたいときにもシーラーを塗ることで強力な粘着力を出せます。
オイルフィニッシュ
無垢材、木の素材そのものの模様や質感を活かしたものにしたい場合は油を塗って乾燥させることでクオリティがぐっと上がります。木が呼吸可能なコーティングなので長持ちするようになるメリットもあります。ただし暫くの間はベタベタして気になるので手を置く機会の多いテーブルの天板には向かないと思います。使い続けるうちに垢やホコリなどでいい感じに馴染むので個人的には好きですが…。
質感は非常に良いのですが外に常に置くような物にはあまり適しません。
オイルフィニッシュ用の油は色々なメーカーが出しており、柿渋やロウ、または混合などと多種多様で非常に選びにくいです。ネットでの評判で選んでも良いと思いますが自分の理想とするものは試すしかないですね…非常に高価なのでお金もかかります。
まずはホームセンターへ行ってみてください。サンプルとして実際の板に塗った物が商品と一緒に並べてあるはずなので、そこから選ぶのが一番良いと思います。
良くあるもの
- 亜麻仁油など植物性の油
- 植物性の油性版
- 蜜蝋
油膜を張るものから浸透するものと多様なので事前調査が必要です。
自然ないい感じを出したいのであれば「ワトコ」を買っておけば失敗はないと思います。色の種類もあるので合わせて熟考してください。
ニス
オイルフィニッシュと似ていますが全く別物なので注意してください。油と同じ様に最後の仕上げに塗るものですが一緒に使うものではありません。
ニスは木の表面に薄い樹脂の膜を張る用途で利用します。汚れや衝撃から家具を守れるのが特徴で表面がツルツルになります。透明のニスを塗れば無垢材の模様を活かした仕上げが可能ですが自然な質感は油のほうが勝っています。
ニスで注意することは「ウレタン」の表記がされているものを選ぶ事です。ウレタンであれば硬くツルツルに仕上がり全くベトつきません。水性と油性があるので室内であれば「水性ウレタンニス」を、野外用なら「油性ウレタンニス」を使用しましょう。
刷毛(はけ)と塗料容器
刷毛について
刷毛は数本セットで300円位のものは絶対に買わないでください。塗ることは問題ないのですが毛がボロボロ抜けて塗った表面に残ってしまいます。きちんと使用後に洗っていれば使い回せるので1本300円くらいのものを買いましょう。
塗料容器について
紙コップで問題ないです。問題ないのですが刷毛が入るかの確認と転倒防止に注意しなければなりません。大口で使い勝手が良いものが良ければホームセンターに使い捨てのビニール塗料容器が10個セットで100円くらいで売っています。基本的に使い捨てするものです(よく洗えば使いまわしできますが有機溶剤など使用する場合は臭いです)。
意外と要らないもの
- 金槌
- ドライバー
- 釘
なんだか必須のような気もしますがこれまでに紹介したものを持っていれば使用する機会はそうそうありません。DIY以外で使う場面があるかもしれないのでホームセンターで一番安いものを1本持っていても良いと思います。間違っても100円均一では買わないように。
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